医療法人善恵会 長屋病院様 ~地域包括ケアの要を担う! 法人内Waculbaゼミで変わる実践事例~
事務長の長屋様(写真左)と管理部長の近藤様(写真右)
創立125年を迎えた長屋病院。地域の中核病院として新病棟を立ち上げ、経営改善と組織成長の両輪を同時に進めています。その裏側では、職員一人ひとりが学び合い、役割を自覚し、前向きに働ける環境づくりが静かに進んでいました。
今回は、法人全体の育成を牽引する長屋事務長と、現場で研修運営を担う近藤部長に、人材育成の現在地と未来について伺いました。
Waculbaゼミで実現する組織の成長と地域医療の未来
———まず、人材育成を語るうえで、病院としての現在地をどう捉えていらっしゃいますか?
長屋事務長 当院は昨年、創立125年を迎えました。歴史の長さと地域への貢献が積み重なり、27病床の病棟から始まった病院は、この20年ほどで大きく成長しました。昨年8月には、初めて2病棟体制となる84床の地域包括ケア病棟をオープンしました。これは当院にとって、とても大きな転換点です。
これまでのように、1 部署の責任者だけが全体を見て回す規模ではなくなり、法人全体で「育成の層」をつくっていく必要性を強く感じています。現在当院は、【トップの理念を理解する層 → その理念を現場に落とし込む層 → さらに次のリーダー候補の層】という三層構造で育成を考える段階に来ていると思っています。
———人材育成で大事にされている考え方について教えてください。
長屋事務長 導入当初のインタビューでも話しましたが、当院が目指しているのは「専門性の向上を目指すだけではなく、社会人として、法人のメンバーとして成長し、そのうえで専門性を発揮できる組織」です。医療職はどうしても技術や知識の面に目が向きがちですが、社会人としての基礎や、法人のメンバーとしての立ち振る舞いがなければ、良い医療は提供できません。
特に今は、規模拡大に伴い、 「私はこの組織に属し、こういう役割を担っている」 という自覚を持つことが、職員一人ひとりに求められているフェーズだと感じています。
※導入当初のインタビュー:https://waculba.com/blog/case-5780
法人内Waculbaゼミの様子。長屋事務長が病院としての想いを語り、職員は自分の役割を再認識する貴重な時間となっている。
Waculbaと法人内Waculbaゼミで育む自己理解とチームワークの向上
———Waculbaはその中でどんな役割を担っていますか?
長屋事務長 Waculbaは教育の仕組みを形にする支えになっています。
私は以前からWaculbaのコンセプトには注目していましたが、実際に職員へ運用する段階では一人では限界がありました。そこを近藤部長が、階層ごとのカリキュラムや進捗管理を少しずつ整えてくれたことで、ようやく組織として活用できるようになりました。昨年度は視聴だけではなく、各階層で法人内Waculbaゼミを行うことができました。
その結果、職員の中に少しずつ、「自分はどの層に属していて、何が求められているのか」という意識が芽生え始めています。新人、3年目、リーダー、主任・課長など、立場の違いをはっきり意識し、その役割を自覚する姿が増えてきました。まだ道半ばではありますが、自分の立ち位置を理解することが、育成の第一歩だと感じています。
———法人内Waculbaゼミは、職員の皆さんにとってどんな場になっていますか?
長屋事務長 初期は正直言って、参加率も意識もまだまだ薄かったと思います。近藤部長が200名近い職員へ何度も個別連絡して集める、という状態でした。しかし今年度は大きく変わりました。ゼミの存在が自然と当たり前として浸透し、「なぜ私は呼ばれなかったのか」と自ら関心を示す職員が増え、多職種の間で自然に本音を共有する姿が見られました。回数を重ねるごとに、職員の表情が明らかに柔らかくなったのは印象的でした。
近藤部長 そうですね。最初は緊張している職員が多かったのですが、回数を重ねるごとに自然と話し合える空気ができてきて、直近は相談されるまでもなく、どこで切ればいいか迷うくらい盛り上がりました。グループごとに自主的にディスカッションが進むようになったのも大きな変化です。
事務長の言うとおり、昨年は欠席も多かったのですが、今年はわざわざシフトを振り替えてまで来てくれた職員や、この時間のためだけに参加してくれた職員もいました。そういう姿を見て、部署の責任者や、一般職の職員も少しずつ意識が変わってきているのかなと感じました。
笑顔が溢れ、互いを尊重し合う温かい空気が会場内に広がる。多職種が垣根を超えて自由に語り合えることも法人内Waculbaゼミの特徴
———事務長から見ても、ゼミは大きな意味を持っていると感じますか?
長屋事務長 はい。ゼミでは、普段の業務では見えない一面が見えてきます。
- レポートの書き方
- 発言の視点
- 期限の守り方
- コミュニケーションの柔らかさ
- 引っ込み思案に見えて、実は発信力がある
こうした社会人性の基礎が見えてくることは、私にとって非常に嬉しいことです。年2回であっても、職員全体の成長を把握できる大切な学びの場になっています。
近藤部長 私は、動画視聴だけでは得られない行動のきっかけが法人内Waculbaゼミにあると思います。発言に慣れていない職員や、自分の役割を言語化する経験が少ない職員にとって、ゼミは初めて「考えてみよう」と思える場になっています。
課題としては、目標設定や自己表現が苦手な人がまだ多いことです。しかし、自分の仕事の意味をゼミで理解することで、「明日から挨拶をきちんとしよう」など、具体的な行動変容につながる職員が確実に増えています。
また、採用活動はやってもやっても終わらないですが、こういう教育の機会を通して『自分だけじゃなかったんだ』と気づけ、自分の目標ができて『ここで頑張ろう』と思ってくれれば、離職防止にもつながると思います。
一人ひとりが“明日の行動”を言葉にする瞬間。小さな一歩が、組織の大きな変化につながっていく
ゼミの最後に書き込む“実践宣言
前年度のゼミで寄せられた感想の数々
Waculbaで進化する階層別育成と看護部教育の統合
———来年度の育成方針について教えてください。
近藤部長 今はまだ階層を分け切れていないので、来年度は部長・課長など、階層をより細かく分け、それぞれの階層に合ったカリキュラムやゼミをやりたいと考えています。
長屋事務長 看護部には看護協会の階層別教育があり、部署ごとにも研修文化があります。しかし、法人全体で統一した育成体系を持つには、まだ整理が必要だと感じています。今後は、【院内研修 × 看護部研修 × Waculba】この3つをどう組み合わせるかを考えていきたいです。新しい病棟も軌道に乗り、採用も増えています。若い職員が多くなる今こそ、体系づくりが重要だと思っています。
地域包括ケア病棟としての使命と、「300年法人」への道
———最後に、今後の病院のビジョンをお聞かせください。
長屋事務長 当院は「コミュニティホスピタル」として、地域包括ケアの要を担っています。高齢化が進む中で、地域医療における中間支援の役割は必要です。
理事長は、病棟運営がどれだけ厳しい時期でも「この地域には必要な病棟である」という信念を持ち続け、病院を守ってきました。
そして今、私たちは「300年法人を目指す最初の一歩」を踏み出しました。
その中心にあるのは「人」です。
Waculbaも法人内Waculbaゼミも、すべては人が育つ組織をつくるための手段です。
これからも職員一人ひとりの成長を支え、地域から選ばれ続ける病院でありたいと思っています。
おわりに
法人内Waculbaゼミでの対話や気づきが、日々の働き方や意識の変化へと確かな一歩を刻んでいることを実感しました。Waculbaは、皆さまの「学びを行動へ」つなげる仕組みとして、今後も共に歩んでまいります。
