Waculbaを導入された経緯を教えてください。
当法人は、まずチームごとに日常業務の中で教育を受けるという非常にこじんまりとした規模からスタートしました。
その後、徐々に新入職員をある程度迎え入れる規模の法人に成長し、さらに前期と後期で目標を設定できるほどの職員数を抱える法人へと拡大してきました。この約10年間で規模が大きくなるなか、4月に実施する新人教育研修の企画準備を担当する管理部では「今年はとても良い研修ができた」と感じていても、その内容の共有が参加職員だけのものになっていることが多くなってきました。以前は参加人数が少ない場合は、「もう1回やる?2回やれば全員聞けるかな?」といった具合に対応していたのですが、今ではそれが難しくなってきていると感じています。
また医療の専門性だけでなく、社会人としての基礎を築いた上で専門性を持ったチームを作りたいという希望があります。それを実現させるためには、チームメイトと顔を合わせながらの研修を設定することも非常に重要ですが、スタンダードな内容は、全員が同じものを必ず観て、共通認識を持っておくことも重要だと考えるようになりました。
当院は以前から日本経営グループの皆さんに様々なサポートいただいており、ちょうど他のサポートを受けている最中に
Waculbaがリリースされました。しばらく様子を見ていましたが、先程お話しした法人の成長にWaculbaのサービスが合致するタイミングが到来し、導入を決定しました。
人材育成を通してどんな組織を実現したいですか?
医療職の成長には、「知識」と「意識」の向上が必要だと考えています。知識の向上については専門職の皆さんにもイメージがしやすく、取り組みやすいものですが、法人全体の組織作りには意識の向上も必要です。現状では、この両者のバランスが十分には取れていないと感じます。医療界は各職種の専門性が高いですが、法人としては、職員全員が「良い社会人であり、法人のメンバーという土壌の上で専門性を活かす」という共通認識を持つことが重要になってくると考えています。専門性の向上を目指すだけではなく、Waculbaを通じて、社会人として、法人のメンバーとしての成長が必要だよね、という気持ちを醸成し、その上で専門性を発揮できる組織を目指したいと考えています。
Waculbaの使い勝手はいかがですか?
一般的な内容の教育はもちろん、診療報酬改定があるとその解説動画もすぐにWaculbaで配信されるため、大変重宝しています。2024年2月には、地域包括医療病棟の解説動画や2024年診療報酬改定の解説動画など、最新情報が配信されるので、職員も興味を持ちやすいと思います。
また、自分の好きなタイミングで繰り返し視聴できる点も、忙しい医療職にとっては非常に助かります。
周知の仕方や職員の方々の反応はいかがですか?
今は紙ベースで周知を行っていますが、職員に直接声をかけるということもあります。しかしほとんどの場合、各部署の責任者からそれぞれのメンバーに伝える形となっており、視聴意欲には部署ごとに温度差があるように感じます。
個人的に興味を持つ職員は積極的に観てくれていますし、責任者が「しっかり取り組もうね」と声かけをしている部署はよく観てくれている印象で、そうでもない部署に関しては「やらなくてもいいのかな」とあまり観ていなかったりするので、視聴を促す周知方法はもう少し工夫していきたいと考えています。
今年度は新入職員から必修視聴をスタートしていますが、各部署の責任者にも「このコンテンツにはこういった目的があるんだよ」と説明し、日本経営グループの皆さんが制作された内容に信頼を持ってもらうとともに、なぜこの研修を行うのかという根本的な目的意識を責任者に共有しながら進めていく必要があると考えています。
今後Waculbaをどのように活用していきたいですか?
新人教育研修をはじめた当初、新卒職員向けに統一された内容のファイルを作成しました。しかし、中途採用の新入職員にはそのファイルが配布されず、中途採用の役職者からも「新人育成時にどう説明すれば良いか」といった声も上がりました。その結果、新卒職員と中途職員の研修(認識)レベルに乖離が生じていることが、ここ数年で明らかになりました。「入職時にはこれを必ず観る」「これはみんな観たよね」というように、全職員が共通の認識を持ってコミュニケーションが取れるようになる研修体制を構築するため、今後はWaculbaを活用して実現したいと考えています。
当法人では、研修に「1に良い社会人であること、2に良い法人のメンバーであること、3に良い専門職であること」という3つの層を設けることにしました。2024年夏には1病棟増床し、規模もさらに大きくなるため、この層形式の職員教育研修を3年かけて進めていくためにWaculbaを活用したいと思っています。また、来期に指定の動画を観た職員同士でディスカッション(法人内ゼミ)を行う活用方法も検討しています。
また、初めて部署の責任者となる職員は、「管理職の新人」です。その観点で見れば、新卒職員と同じように管理職新人向けの研修が必要だと思います。現在、管理職に必要な部下教育やマネジメントに関する動画を視聴するようにしていますが、その学びの積み重ねが非常に重要です。一般職員、管理職の研修のどちらかを優先するなら、まずは管理職から
Waculbaを浸透させることが重要だと考えています。「Waculbaの管理職教育の動画で言っていたよね」という会話が聞こえるようになれば、一般職員も興味を持ち、何より管理職にとっても管理を行う際の助けになると思います。まずは管理職がWaculbaを通じて管理職としての教育を体験することが理想です。