Waculbaを導入された経緯を教えてください。
どのような組織・企業・病院であれ、組織体の鍵となるのは「人」であると思っています。世の中における価値観や働き方の変化、また「VUCA」と呼ばれる時代において、様々な変化に対応していくためにも、やはり「人」が極めて重要だと思っています。当院は、「人」が中心的に働いており、マンツーマンでの働き、チームでの働き、いずれにおいても「人」が大事であることを伝えたいと思っていました。ただ、伝えるだけでは何事も始まらない。様々な形で寄り添ってくれる存在がリーダーや管理職であるため、ここが鍵になる。まずは、リーダーや管理職とともに伴走し、未来を共有することで組織力を上げる。まずはここから取り組みたいと思い、施策のひとつにある管理職研修を実施しました。年に数回の研修だけでは習得することは難しいため、インプット・アウトプットを繰り返し、共有することが必要であると考えました。その中でも、集合研修とオンライン研修が特に重要であると思いました。そしてオンライン研修も、インプットだけではなくアウトプットもできるものをと考えている時にWaculbaに出会い、そして「Waculba」を共通言語にしたいとも思い、導入しました。
職員の方にはどのように周知されていますか。
オンライン研修というのは、環境を整えて終わりということもゼロではないと思っております。そうならないためにも、当院ではプログラムの内容を記載した案内文と、日本経営の協力を得て作成したチラシを利用して周知しています。まずは、
Waculbaを共通言語にすることが目的であったため、毎月2~3つのプログラムを割り当てていますが、その都度周知しています。
高視聴率を保つ秘訣や工夫はありますか。
何事も始めが肝心という思いがあり、「始まります」の周知をしたほかに、個人ごとの視聴率のデータを取りました。視聴時間をコンテンツごとに分析し、経営会議で報告をしています。当初、経営幹部には視聴率のデータを取って報告することは伝えていませんでした。「本気である」ということを伝えたかったため、経営会議に参加している看護部長や事務部長等も含めたデータを開示することで、部門ごとの差分を確認してもらい、この結果をもとにサポートしてほしいこと、また上長の責任として職員に伝えてほしいことを2か月おきに経営会議で報告していました。
職員の方の受講姿勢から、新たな気づき等はありましたか。
上長の姿勢から職員にも感じるところがあるようです。「やっぱりね」という、それは良い意味でも悪い意味でも。
現在は「視聴率」だけではなく、「職員満足度調査」と「ストレスチェック」のデータ分析も行っています。分析データの結果が気になる部署と、データの内容にとても関心を持つ部署には共通点がありました。特に、上長のコミュニケーション能力や日頃の部下との接し方などについては如実に表れていました。ひとつのデータだけではなんとなく断片的でデータとしての信憑性は低いかもしれませんが、多面的にデータを見ると、課題感がどこにあるのかという考察ができたと思います。分析データの結果に興味があるからコミュニケーションが上手になったのか、日頃からすでにコミュニケーションがとれているから結果も良かったのか。当院は後者ではないかと思います。
Waculba導入から1年が経過しましたが、職員の方に変化等は感じますか。
大きく変わったというほどのことは特にないですが、所属長同士で話し合った時に、「それってWaculbaにあったよね」
「Waculbaで話してたよね」というような会話が5~6回はあったと思います。このようにWaculbaに関する会話が結構あるため、Waculbaを見ることの大切さは、理解されていると思います。
ただ、学んだことを活用できているかというとそこまではまだできていない方が多いと思います。導入して1年ほどなので今後も継続していくことに意味があると思います。
法人内Waculbaゼミではどのような期待をお持ちでしょうか?
「知っている」と「理解している」、「できる」と「(自発的に)できていること」はそれぞれ全く意味が違うと考えています。例えば、何も知らない状況から情報としてインプットすることによって「知っている」というレベルになると思います。今後は「知っている」から「理解している」というレベルまでつなげていく。インプットした情報をアウトプットし、同じ考え方を共有し理解を深めることでコミュニケーションが生まれる。まずは共感し、リーダーたちが理解を深め合うというステージへ進めたいと思っています。そのためのプログラムの一環として法人内Waculbaゼミを開催することにしました。
Waculbaのおすすめポイントをお聞かせください
ひとつのテーマが短いセクションで区切られているため、隙間時間などに自分のペースで視聴できる点です。また、コーチングや問題解決、基準行動、管理職の役割など様々なテーマ教材があることもおすすめできる点だと思います。
例えば、「マネジメント」という言葉はよく耳にするが、実際のところ「マネジメントって何?」と思っている職員も多いと思います。言葉は「知っているが知っているだけ」といった場合でも、分かりやすくかつ体系的・網羅的な内容となっており、全体像をつかむということにおいてとても良いツールなのではないかと思います。
今後Waculbaをどのように活用していきたいですか?
まずは、管理・監督職層でWaculbaを共通言語にすることも含めて体制を整えていきたいと思っています。制度が確立していないと現場におろしても定着させるのは難しいと思います。同じものを見て語り合いアウトプットする、あるいは他の人と共有する中で、様々なケースに向き合った時にも、コミュニケーションがとれるようにしたいと思っています。お互いが「相手も分かっているよね」と思っていても、同じ言葉でも、違うものを見ていることがあります。
そのような時にWaculbaを活用して同じ背景を見ているということを理解し、コミュニケーションがとれる環境を整えていきたいと思っています。また課題を整理し、プログラムや年間スケジュールを作成する際にもWaculbaを活用していきたいと思っています。今後は職員間でWaculbaが共通言語となるようなプログラムを共有し、アウトプットする場を設けたいと思います。「ベーシックだけれども極めて重要な部分」という言葉を当院の行動計画の一部に組み込み、グループワークを通じて大切にしていきたいことや組織目標を理解することで共通言語の醸成につなげたいと思います。また、実践することで、お互いに啓発したり、コーチングしたり、また振り返りをしたりといった場面においてもWaculbaを活用して次のステップに進めていきたいと考えています。