講座詳細
01: 医療概論編 医療医学の特徴
所要時間02:20:55
非医療系職員が医療を理解することを目的とした講義の第一講。
まず非医療系と医療系との間で齟齬が発生しやすい、頻度表現の問題、議論の進め方、与えられた時間の制限について解説する。つぎに2000年代に話題となった「医療崩壊」の実態とそこからの回復の流れ、産業としての医療におけるサービス要素とホスピタリティ要素の関係を解説する。
高等教育としての医学教育が他の分野と異なっている点、また科学領域で重要視される研究が医療分野ではどのように行われるのかを解説する。
最後に医療における「不確実性」の原因とそれによって引き起こされる状況に加えて、社会と医療で乖離がみられる死生観についても解説する。
医療の特徴を医療側の行動様式、医療提供における価値判断、研究・教育の特徴、および不確実性と死生観をもとに解説することにより、非医療系の職員にとっては医療側との接点の取り方、医療従事者には他の領域との接触に際しての注意点を提示する。対象:非医療系医療機関職員および医療従事者全般
第1講 医学医療分野の概説(34:15)
第2講 医療の激変とホスピタリティー(47:38)
第3講 学問としての医学と実験・研究(32:18)
第4講 医療の不確実性と死生観(26:44 )
02: 医療概論編 診断治療
所要時間01:36:18
医療系職員が医療を理解することを目的とした講義の第二講。今回のテーマは、医療における業務の中心をなす診断と治療(併せて「診療」)について解説する。まず診断の標的がどのようなものなのかを解説し、確率論的な診断プロセスの概要とそこで重要な役割を果たす「鑑別診断」とプロセスの記録である診療経過記録について説明する。
後半は外部からは分かりにくい治療内容の選択プロセスの概要と、治療法選択にかかわる問題点、治療法選択の根拠としてのエビデンスとコンセンサスについて言及する。非医療系職員にとっては医療機関内で行われている診断と治療のプロセスを理解するとともに、医療従事者については診断・治療の手順を整理し患者などへの説明を明確にすることに繋げていただきたい。対象:非医療系医療機関職員および医療従事者全般
第1講 医療における診断(40:06)
第2講 鑑別診断と経過記録(24:00)
第3講 治療法の選択プロセス(16:54)
第4講 治療法選択の根拠(15:18)
03: 医療概論編 医療の法的責任
所要時間01:18:15
医療は強力な法的規制下に置かれている。
まずほぼすべての医療従事者には名称独占および業務独占、あるいはその両方が課せられており、プロフェッショナルとしての独占性が極めて高く設定されている。
また医療提供という事業に注目しても刑法・民法・医師法・医療法・健康保険法と多岐にわたる法令の規制を受けている。
ここでは診療領域に限定して、われわれ医療者にはどのような法的責任が課せられているのかを階層化して解説する。
その階層は基本側から、違法性の阻却、注意義務、説明義務・守秘義務、人格権の確保となっており、優先順位が存在する。
このことを理解することによって、多種の責任要因が複雑に絡み合う臨床現場においても、迷うことなく的確な選択・判断を行うことができる。
なおそれぞれの義務の詳細については個別のコースを用意しているので、そちらを参照されたい。対象:非医療系医療機関職員および医療従事者全般
第1講 医療が法的規制下にある理由(21:46)
第2講 診療における医療の法的責任(28:30)
第3講 第3講 医療の法的責任と社会との関係(27:59)