目次
『パワーハラスメント』対策は職場にとって取り組むべき重要課題
パワーハラスメントを受けたらどこに相談すればいい?相談対応の流れ
パワーハラスメント対策は職場にとって取り組むべき重要課題
今や聞いたことがない人はいないのではないか、というほどに広まっている職場問題の一つが『パワーハラスメント』です。
パワーハラスメントは他人事の問題ではなく、皆さんの職場の日常においても、起こる可能性が潜んでいます。
そして、一度パワーハラスメントが問題化してしまうと、それは当事者本人だけではなく、職場全体へ悪影響を及ぼしかねません。
そこで今回は、パワーハラスメント対策として、パワーハラスメント予防のポイント、パワーハラスメント相談対応の流れについて確認していきましょう。
パワーハラスメント予防のために
2-1. 『パワーハラスメント』の予防取り組み事例
ではまず、パワーハラスメントの予防に向けて、各企業はどのような取り組みを実施しているのかを見てみましょう。
厚生労働省の「平成28年度 職場のパワーハラスメントに関する実態調査主要点」を参照すると、一番多いのは相談窓口の設置で、約8割の企業が実施していることがわかりました。
管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した、就業規則などの社内規定に盛り込んだ、という企業も多いようです。
他にも、ポスター・リーフレット等啓発資料を配布または掲示した、という事例も見られています。
規程に盛り込む等の体制整備をはじめ、講演や資料配布などで、多くの企業が積極的に職員に働きかけていることが分かりますね。
2-2. 『パワーハラスメント』予防のための心構え
次に、パワーハラスメントを予防するためには、どのような心構えが重要になるかを確認していきましょう。
まずは、パワーハラスメントへの理解・関心を深めることから始めましょう。
パワーハラスメントに無関心でいては、どんな対策を考えることも講じることもできません。
そうすることで、他の職員への言動に注意する、自らの行為がパワーハラスメントになっていないか確認する、といった姿勢を取れるようになります。
他にも、日頃からコミュニケーションを取り、お互いを尊重・理解するよう努める、職場の仲間の変化に注意を払う、事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力する、といった心構えも、パワーハラスメントを予防するうえでは、とても重要なことです。
2-3. パワーハラスメント予防のための職場環境改善
続いて、パワーハラスメントを予防するためには、どのような職場環境が望ましいのでしょうか?
まず、内部コミュニケーションを増やすように心がけましょう。
上司には自分から方向や連絡をする、自分の意見を具体的に述べる、パワーハラスメントを受けていると感じたら、一人で悩まず相談窓口や周囲に相談する、といったことが、環境を改善していくことに繋がります。
次に、相手の良いところを見るように意識をしてみましょう。
これは、自分自身もパワーハラスメントの行為者になり得ると認識して、そうならないような意識を育てることに繋がります。
他者の個性を認めるように努めてください。
最後に、誤解を招くコミュニケーションは取らないように気を付けましょう。
すぐにカッとならずに、自分の感情を冷静に認識するように努めてください。
そして、相手を無意識に傷つけてしまっていないか、パワーハラスメントになりかねない言動をしていないかを見直し、話し方を工夫してみるとよいでしょう。
パワーハラスメントを受けたらどこに相談すればいい?相談対応の流れ
ここまでは、パワーハラスメント予防のためのポイントについて見てきました。
では、実際に「これはパワーハラスメントではないか」という行為を自分が受けていると感じたときや、周囲で気になる場面を見かけたとき、どのように相談したらよいのでしょうか?
ここからは、パワーハラスメントの相談対応の流れを確認していきましょう。
3-1. 相談窓口への相談
まず、職員(相談者)は、相談窓口に相談をしましょう。
気になることがあれば、何もせずにいることで、事態が悪化し問題が大きくなってしまうこともあります。
まずは相談をすることが大事です。
はじめに見たように、多くの企業が相談窓口を設置しているので、ふだんから自分が相談できる窓口はどこかを、確認しておくのもよいでしょう。
相談窓口へ相談をしたら、自分がパワーハラスメントだと感じていることを、窓口に伝えます。
この時、窓口は、相談者はどうしたいと感じているのか、相談者の意向を確認してくれるので、どうしたいのかを併せて伝えるとよいでしょう。
3-2. 事実関係の確認
相談を受けて、事実関係の確認に移ります。
パワーハラスメントの行為者だけでなく、客観的視点として、第三者へのヒアリングが実施されることもあります。
ただし、この事実関係の確認は、相談者の了解を取った上で進められます。
「相談したことは伏せてほしい」といった要望があれば、窓口に相談した際に、確実に伝えるようにしましょう。
3-3. 行為者と相談者の意向確認、対応検討
事実関係の確認が終わると、行為者と相談者への意向確認が実施されます。
それぞれ、今後どうしたいのかの意向を踏まえながら、各人への対応を検討します。
場合によっては、配置転換といった対応が取られることもあるので、もしそれ自体が働きづらさや職場環境の悪化に繋がる恐れがある場合は、しっかりと伝えるようにしましょう。
3-4. 相談者と行為者へのフォローと再発防止
対応が取られた後の、相談者・行為者へのフォローを行います。
対応がきっかけで、職場環境が逆に悪化していないか、パワーハラスメントは解消されているかを見届けます。
そして、再発防止に向けた検討が行われます。
4.まとめ
以上のように、パワーハラスメント対策として、まず、お互いが気持ちよく仕事をするための工夫を欠かさないようにしましょう。
相手を尊重し、円滑なコミュニケーションを心がけることも重要です。
そのうえで、パワーハラスメント被害があった際は、信頼できる人や専門窓口に相談をするようにしましょう。
そうすることで、自分自身を守るだけでなく、職場全体のパワーハラスメント対策を強化・改善していくことにも繋がるのです。
なお、「職場のハラスメント対応」コースでは、より詳細なパワーハラスメントに関する説明や、他の様々なハラスメントについても学ぶことができますので、ぜひ視聴してみてくださいね。
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