目次
5.組織にフォロワーシップがあると、どのような効果が見込めるか
役職者によるリーダーシップとの相乗効果を発揮させるものとして、一般職のフォロワーシップという考え方が注目されています。
職場において、組織が目標を達成するために、フォロワーが存在すること、職員一人一人がフォロワーシップを持つことは、とても重要なことです。
今回は、このフォロワーシップとは一体何なのか、具体的にどういう意味なのか、なぜフォロワーシップが必要なのかを、ご紹介したいと思います。
フォロワーシップについての理解を深め、職場において実践ができるようにしていきましょう。
1.『フォロワーシップ』とは
まず、フォロワーシップの定義を確認しましょう。
フォロワーシップとは、「目的・成果に向かって、リーダーをフォローするとともに、自ら組織に貢献すること」と言えます。
組織は、経営理念などの目的達成や、仕事における成果を上げることが求められます。
この定義から、リーダーをフォローする、自ら組織に貢献する、といったフォロワーシップが、組織の目的や成果の実現につながることが分かりますね。
2.リーダーシップとの違い
リーダーシップは、組織やチームの指導者やリーダーが行う行動や役割を指しています。
ビジョンや目標を設定し、それを実現するために他のメンバーやリソースを組織し、指導するのがリーダーです。
先頭に立って方向を示し、他のメンバーを動かすと考えるとわかりやすいかもしれません。
先に示したように、フォロワーシップは、組織やチームのメンバーがリーダーの方針や目標に共感し、それに協力することです。 組織やチームの成功には、両方の要素が重要です。
3.4つのフォロワータイプ
アイラ・チャレフの「ザ・フォロワーシップ」では、リーダーを「支援する度合い」と「批判する度合い」によって、以下の4つに分類されています。
・従属者:支援もせずに批判もしない
・個人主義者:支援をせず批判ばかりする
・実行者:支援はするが批判はしない
・パートナー:支援も建設的な批判もする
組織のビジョン・ミッションを達成するために目指していきたいのは、「パートナー」です。
では、どう行動していけばパートナー、すなわち目指すべきフォロワーになれるのでしょうか。
4.組織が求めるフォロワーシップ
フォロワーシップの定義から分かるように、目的・成果の実現のために、リーダーをフォローすること、それと同時に自ら組織に貢献することが求められていますね。
つまり、フォロワーとして求められるのは、「リーダーへの自律的支援を行う人材」であり、「主体的に組織へ貢献する人材」であると言えるでしょう。
それぞれ、どのような人材を指すのか、具体的にイメージができるように、詳しくみていきましょう。
2-1. リーダーへの自律的支援を行う人材
まず、リーダーへの自律的支援を行う人材としては、まずリーダーを支援する取り組みができることが大切です。
リーダーは多くの責任や任務を負っていることが多いですので、リーダーが助けてほしいと思っていることはないか、意識して気配りができたり、必要に応じて自ら手助けや支援を行えたりすると、リーダーはとても助かることでしょう。
そして、時には建設的にリーダーを批判できることも、リーダーへの自律的支援を行う人材として、大切な要素の1つです。
建設的な批判と言うのは、○○ができない、ということではなく、できないがこうした改善ができる、こうしてみたら今より良くなるのではないか、といった改善まで付けた批判のことを言います。
2-2. 主体的に組織へ貢献する人材
次に主体的に組織へ貢献する人材としては、指示を待たず、率先して組織に貢献できること、組織への建設的な批判ができることが重要です。
こちらの建設的な批判というのも、先ほどご説明したのと同様に、○○ができない、ではなく、ここまでならばできる、こういった改善が必要ではないか、というように、改善点までしっかりと伝えられるかどうかが大切なのです。
5.組織にフォロワーシップがあると、どのような効果が見込めるか
組織にフォロワーシップがあると、どのような状況が生まれるのでしょうか?
まず、すべてのメンバーが、最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。
確かに、組織のリーダーには、組織が最高のパフォーマンスを発揮できるようにマネジメントをして、成果を高める役割があります。
しかし、リーダー一人だけが意識して努力をするだけでは、それを実現することはとても難しいです。
すべてのメンバーがフォロワーとなり、全てのメンバーがフォロワーシップを持つことが大切です。
また、組織にフォロワーシップがあると、同じビジョンに向かって、継続的に意見を交わし、行動することができます。
なぜならば、フォロワーは自らが主体的に考え、積極的に行動を起こすことができるからです。
すべてのメンバーがフォロワーになれば、必然的に意見を交わす機会が増えるでしょうし、批判的ではなく、建設的な意見を重ねることで、組織はより良い方向に変化していくはずです。
6.組織にはリーダーとフォロワーの双方が不可欠
これまで見てきたように、組織には、目的達成のために組織を導くリーダーがいます。
しかしリーダーだけでは十分ではなく、組織には、リーダーとフォロワーの双方が不可欠です。
そして、誰か一人がフォロワーになれば良いという訳でもなく、組織内すべてのメンバーがフォロワーになることで、組織は最高のパフォーマンス生み出し、ビジョンに向かって進み続けていくことができるのです。
したがって、フォロワーシップは、年次やキャリアに関わらず、全員が実践するものである、という点を心得ておいてください。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、フォロワーシップの定義や、フォロワーの人材的特徴、フォロワーシップによって何ができるのかをご紹介しました。
内容を参考にしながら、フォロワーシップ実践のために、自分はどんな取り組みができるかを、考えてみてください。
なお、「フォロワーシップ」コースでは、他にも、フォロワーシップが組織にもらたす効果、リーダーの悩みと願い、フォロワーとしての行動などのテーマについて学ぶことができますので、ぜひ視聴してみてくださいね。
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